とても深いグリーン

推しがみんな緑担当。書きたいことを書きたいときに。徒然なるままに。

LUNGS感想ブログー大阪公演編ー

 

 

こんばんは。

今回は11月9日に無事大阪公演の千秋楽を終えた、

舞台「LUNGS」の超個人的感想を述べたいと思います。

考察なんて高尚なものは書けないので、あくまでも感想です。

 

 

www.lungs.jp

 

 

 

 

元々東京公演が終わってから書こうと思っていたのですが、

毎回感じ方が変わりそうだなと思ったので大阪は大阪で書こうと思います。

 

 

 

主演は我らが神山智洋さん。

東京公演が中止、延期になってから1ヶ月で新キャストの奥村佳恵さんとともに

新たに作り上げた「LUNGS」の世界が早く見たくて仕方なかった私。

 

 

終わった瞬間にベンチで携帯のメモ機能に記憶の限りを残してから駅に向かうくらい

印象的な言い回しやセリフが多かったです。

所々記憶違いがあったらすみません。

 

 

 

 

以下ネタバレを踏みますので、ネタバレを踏まずに東京公演を観劇したいは

ぜひブラウザバックをお願いいたします。

 

 

今回も何がなんやらといった感じで書き進めますので

お手柔らかにどうぞ!!!

 

 

 

 

 

 

レッツゴー!!!!!!!

 

 

 

 

 

今回の舞台構成は円形の舞台が客席前方までせり出しているような感じ。

A列からD列までのセンターブロック(9〜23番)は潰されていて、

その列のサイドの席の人は座席が横向きになっていました。

完全にお芝居を横から見る感じです。羨ましい。

 

 

www.sankeihallbreeze.com

 

 

 

暗転前に2人で登場し、三方礼をしてから準備体操や発声を始めます。

結構長めだったような気がしていて、多分1分半くらいはそれを見ている感じ。

舞台上で演者さんが準備体操する光景を見るのは中々無い経験で、

初めての光景が新鮮でとても面白かったです。

 

 

 

いつまで準備体操するのかなぁ、と思っていたら

二人が徐に向き合ってアイコンタクトを取り、息をガッと吸ったと思ったら突如始まる「LUNGS」

 

 

 

暗転⇨ピンスポの照明の切り替えもあり、

一気に現実世界から切り離された空間に行く感覚が最高に気持ちよかった...。

 

 

 

9月の神山くんの雑誌ラッシュの時に各誌インタビューにて

散々内容の難しさと全体のスピード感については語られていたので、

覚悟して臨んだものの、開始2秒で笑っちゃうくらいの爆速会話www

 

 

お二人とも抜群に滑舌が良くて、よくもまぁこのテンションで噛まないな〜

私なら秒で噛むな〜と思いながら観ていたのですが、

これでは滑舌の良さだけで終わってしまうので、この後は滑舌には触れずに書いていきます。笑

 

 

あと個人的に神山くんの舞台の時の発声が好きでして、

海外映画の吹き替えのお仕事とかめちゃくちゃ合いそうなので

いつかそんなお仕事も来たらいいなぁと改めて思いました!

一人称「僕」が似合う!!素敵!!!

 

神山くんのお芝居はやっぱり舞台向きだよなぁ、、

発声の仕方も声の抜け方もふとした表情も全部素晴らしかった。
英国の香りがするようなセリフの言い回しが抜群に良い!

神山智洋さんにミュージカルの主演ください(;;)

 

 

 

さてさて話を戻して・・・。

 

 

 

どんな過程があったのかよくわからないけど、IKEAで強めの話し合いが始まったらしい二人。

赤ちゃんについての話だったみたいだけど、ベッドとか家具とかみて感化されたのだろうか・・・。

 

 

 

劇中は互いを「キミ」「あなた」などの呼び方しかしておらず

固有名詞を使わないので、物語に入り込みやすかったです。

ちなみに神山くんが演じる男性役がM、奥村さんが演じる女性役がW。

これは事前情報見てなかったら分からずじまいだったもの、

知らなくてもなんら影響ありません。一応明記して話を進めます。

 

 

 

序盤で私が気になったのは、2人とも子供を作るということについて

めちゃくちゃ話し合って、リスクだとか気持ち的な問題だとかと向き合っているけれど、

結婚はしないのね??その話になると途端にMは濁すのね??というところ。

 

私はつい最近まで結婚と妊娠がセットだと思っていた超絶アナログ人間なので

結婚を通り越して家族計画のネタぶっ込んでくるなんて、話が飛躍しているなぁなんて思ったり。

 

 

令和のカップルというか、海外の戯曲らしいっちゃらしいなと。

2人が向かっている未来における関係性は「パートナー」って言葉が一番しっくりくる感じ。

 

 

博士課程のWとフリーのミュージシャンMのカップルって絶対面白い。

「顔面パンチの後に数学の問題解いてるようなこと」ってセリフが印象に残っていて

彼女の表現が本当に豊かでカラフルで、一人の人間としてもっとWのことを知りたいと思うくらいでした。

 

 

私もWと同じように今後歩いていく人生のイメージの一つとして、

いつかは結婚して子供が産まれてベビーカーを押しているような、

そんな未来を無意識に思い描いていたしそれになんの疑問を抱いたこともなかったので、

Wの価値観に共感する部分が多かったです。

 

 

この作品を観劇して初めて子供を作ることのリスクや、

自分やパートナー、さらに社会や地球に及ぼす影響について考えました。

 

私は生まれたての子供を見て「この子が1万トンのC o2を排出するのか」とは思わないし、

多分自分が妊娠しても自分がエッフェル塔と同じ重さのC o2を産み出すとは考えない。

 

 

途中で優生学の話も出てきました。

要はバカな人が考えなしに子供を作るから〜(止まらない温暖化・資源等何もかも足りなくなる)とか、

賢くて知識のある人は子供を作ることに関して(も)よく考えるから結果的に子供を作らないという選択をする

=世界には野蛮な人の遺伝子ばかりが残っていく・・・という話なのですが

逆にみんながリスク回避のために子供を作らないという選択をしていたとしたら私たちは今こうして生きていないわけで。

 

 

考えなしに子供を作るべきではないという考えは大いに共感するけれど・・・

というところで思考停止しました。

考えながら観たいけど、考えたら話が進み過ぎてて色々な意味で終わるので難しい。

記録用の固定カメラのもので構わないのでDVDください。

 

 

 

この話はMが始めたものですが、

Mはそういうこと(優生思想)ではないよ!と強く主張します。

私も彼が本当にそうではないと思うのと同時に、

彼のように無意識のうちに優生思想のエッセンスのようなものが出てしまう人って

意外と少なくないような気がしています。

 

 

良い人間は「考える」から、結果子供を作らないという選択をするんだ、というのは

あくまでも(様々な事柄において)しっかりと考えることが重要であるということを意味しているに過ぎず、

優生学だとか、そういうことを言いたいわけではなかったのだと思うのですが

裏を返せば〜ということで、Wに突っ込まれたのかなと思っています。

逆に相手がアホなら「私たちは考えてる!ってことは良い人間!?」で終わったかもしれないですし。笑

 

 

 

 

また、子供を産むことで自分の人生が自分でない誰かに縛られると考えるのであれば

「子供は幸せの象徴」という今までの私の固定概念は覆されるかもしれません。

 

小さくて可愛いだけの時期はいいかもしれないけれど、

彼ら彼女らが自分で考え自らの思考に沿って行動していくようになった時、

私は責任を負いきれないのではないか、などと考えてしまいます。

 

自分でない誰かの責任を負うって、めちゃくちゃ恐ろしいなと。

 

 

 

Wは劇中に何度も子供を作ることに関する恐怖からか「怖いの」と口にするのですが、

その時の2人の温度感にかなりのギャップがあるのが気になりました。

MがWを見て何故そんな先のことばかり考えるのか、何に対して怯えているのか、

心底分からないといった顔をしているようにも見えて

『分かってねぇな。物分かりいい風に見せてるけど、こいつなんも理解してねぇな。」

って心の中でちょっと毒吐きました。

 

 

 

 

以前雑誌で神山くんがこんな風に語っていました。

 

 

 

ヒエラルキー的にはたぶん女性の方が上だと思います。

男ってやっぱりアホなとこがあるので(笑)

あとどうしても出産に関して変化が大きいのは女性ですから。

男性はそれをケアしていくとか、支えることしかできない。

つまり女性自体が生態系、言うたら地球みたいなもので。

 

ーBest Stage 10月号よりー

 

 

 

この女性自体が生態系、という表現がしっくりくるような来ないような。

 

男性はあくまでも生態系に対する外的刺激にしかならないというか。

でもそれってめちゃくちゃ無責任ですよね、と私は思うわけです。

 

 

 

いやいや!君たちノーリスクじゃん!

こっちは出産で(物理的に)事故車みたいなダメージ受けるのに。

産後仕事を休職しなければならないとするならば、

社会から切り離されるような時期を過ごすかもしれないのに。

そして相手が他の女に持っていかれる可能性のゼロではないのに。(逆も然りだけど)

それでもなおキミばかり子供欲しがるの??正気?マジで?

 

 

 

初めて抱いた感情でした(笑)

 

 

劇中でMがWを抱く時に何を考えているのか問われた時に

「その瞬間のことだけを考えている」って言っていたように、

あくまでも男性側は本能に準じて生きているというか、

それに伴う色んな可能性だとか、女性に起こる変化だとか、そういうのを考えてくれていないのかなぁ

と思ったら少し悲しくなったりして。

 

 

 

そうだよねぇ、自分自身は何も変わらないもんねぇ、そりゃなんも考えないよね、と。

 

 

 

「もうすでに平等じゃないって感じてる。」

「どんな感じなのか分からないし。」

 

 

これもMの言葉。(早かったのでちょっと端折ってます)

 

非常に正直でよろしいwww

 

 

 

神山くんがいうところの「支える」というのが、

(何を持って「支えている」とするのかにもよるけど)

やはり大事だなぁと思いました。

 

分からないなりに分かろうとする姿勢って相手に伝わりますよね。

でも相手に理解してもらうための必要最低限の自己開示みたいなものも必要になってくると思います。(なんの話)

 

 

 

MとWは話し合いが成立しているようでしてなかったり、

Wが途中で話し合いを放棄したりしますが、

Mが相手を、言葉を、待てる人だからこそ関係が続いていたのかなと。

たまに水と油みたいな勢いでとっ散らかることもあるけど

案外ナイスなコンビかもしれません。

MがWに対して、継続したフォローができるのであればすごくいい関係でいられそう。

(だからなんの話)

 

 

 

 

 

その後Wの妊娠・流産を経て、別々の道に進み始めた2人。

 

色々考え過ぎていたのか、

妊娠中のシーンは比較的穏やかに流れていった気がするので飛ばしますね。

 

 

 

彼女が流産して悲しみに暮れている間、他の女とキスするとかマジでありえなさすぎて、

マスクの下で口開いてました。

 

リアルに「は?」って声が出そうでした。危ない。

 

 

あ、そうだ彼は本能のままに生きてるんだった・・・(悟)

優しくしてくれたらキスするんか???

いや、自分から正直に話をしただけMも優しいのか??

それでもきみを愛してるって言うんだから男性心理って難しい。

 

 

多分2人の言う「悲しい」を他の言語で訳したら違う言葉が当てられるのかな。

 

 

Wが流産した後にMがまたトライしようって言ったのも爆ギレ案件ですよ。

いや、タイミング・・・。

 

 

 

 

どの場面か忘れたけど、WがMに「一緒にいてくれてありがとう」って言うんです。

(流産する前だったかな・・・)

その言葉がすごく残っていてWの気持ちというか、

Mと一緒にいる意味みたいなものがこの一言にぎゅっと詰まっているような気がしました。

 

 

多分別れるタイミングで

私たち、子供いなくてよかったね。みたいなこと言ってたと思うんですけど、

子供産むリスクってこういうところにもあるのか、って絶望しました。

 

 

 

 

また大分飛びますが、再会後のシーン。

 

 

MはWと別れてから本を読まなくなり、

世界で今何が起こっているのかすら分からなくなったと言うのです。

 

あれだけ自分は考える側の「優秀」な民だと思っていた人ですら、

考えなしの「野蛮」な人間になり得るってことだと解釈しましたが、

これは万事に共通することだとも思います。

 

考えることなんていつでも放棄できるし、一度考えなくなった人間が

また考える側に戻るのはかなりしんどい。

 

 

 

まぁそんな考えなしのMは結局Wを孕ませるんですが。

いや、双方の合意のもとなのか???

そのあたりは謎です。如何せんシーンが飛んでいるので。

 

 

フィアンセにバレないと思ったのにまさか元カノとデキちゃうなんてね。

どんまいとしか言いようがないw

 

 

 

最初の方に書いた優生学のくだりで言っていたことが

ブーメランのように自分に返ってくるこの感じ・・・

 

 

今ドキな感じで言うと、めちゃくちゃ草

 

 

 

 

 

この二人の場合、進んでいった未来が明るかったからいいものの

それは結果論であって、やっていることは野蛮な人のそれなので、

最初に散々考えなしに子供作るやつが云々などと言っていたけれど、

みんなそういうのを経由して、なんとかまともになろうとするのが人間なのかな、

というところで自分に落とし込みました。

 

 

 

 

 

と、1回の観劇ではこれが私の限界でした。

 

1回目は双眼鏡なしでシンプルに真正面から受け取ることだけを考えていたので

東京公演では噂に聞いているアドリブのシーンや、一つひとつの動きや言い回しから

もっと深く解釈できたらいいなぁとは思っています。

 

 

 

 

シーンの切り替わりが恐ろしく早いのに不自然ではないことや

息遣いで場面ががらっと変わるのが分かったこと、

下手したらセリフの出し合いみたいになるところなのに

しっかりキャッチボールになっているところなどなど、

キャストのお二人のポテンシャルの高さに恐れ慄く100分でした。

 

 

途中、観ているだけなのにこっちまで息が苦しくなりそうなくらいにずっと話してたから、

グループ仕事の合間を縫ってセリフを覚える神山くんや

わずか1ヶ月足らずで覚えて表現するところにまでもっていく奥村さんって本当にすごいなと。

 

 

 

今まで観劇した作品はどれも大切に心にしまっておきたいものばかりですが

今作は特にずば抜けて好きでした。

 

 

 

様々な問題提起をしつつスピード感で重過ぎない絶妙なバランスを作り上げた演出の谷さんは

雑誌act guideで書かれていた通り「奇才」だなと思いました。

 

 

ちょうど学生時代の友人たちの妊娠・出産ラッシュを迎えているので、

イムリーっちゃタイムリーです(笑)

 

 

母に結婚も妊娠も(もちろん出産も)女性にとってはめっちゃリスキーだよね、と話したら

「リスクを考えるくらいの相手ならそこまでだよ。子供はリスクとかリスクじゃないとか、そういうんじゃない」みたいなことを言われました。

 

 

言いたいことはわかる。それも個人の考えですよね。

10人いたら10通りの考えがあって、MとWもその中の1人に過ぎない。

もちろん母も。

 

 

 

何事も深く考えることは大切だけど、その時々の気持ちに委ねるのもありかなぁとLUNGSをみて思ったり。

 

 

 

 

私はただの観客でただのジャニーズオタクなので

まともな解釈も出来ないし上手く言い表すことも出来ないので

拙い言葉で長々と書くこと自体が失礼なんじゃないかとすら思うのですが

これだけの熱量を持って観劇したことだけでも伝わればいいなぁなんて思っています。

 

 

とりあえずWikipediaでアボカドを調べたので(結果現実は穏やかでなかったけれど)

2回目の観劇までに水道民営化・CO2排出権取引フェアトレード商品などについて改めて勉強し直したいところ。

 

 

 

作品の中の人々や作家、演出家や脚本家の考えに流されるつもりはないけれど、

色々な人の考えはどんどん聞いていきたいと思っているので

心の中でMやWに反論できるくらいの知識量が理想です。

 

 

 

こんな舞台の楽しみ方はした事がなかったので楽しくて仕方ない!

演劇を観に来ているというよりかは

たまたま道ですれ違った2人を透明人間になって追っている感覚と言った方がしっくりきます。

 

 

 

 

悩み考える時間があるなんて幸せじゃないか。

 

 

 

 

 

 

どうか無事に東京公演の幕が上がりますように。

 

 

 

 

 

おしまい。

 

 

 

 

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