とても深いグリーン

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【観劇記録】「幽霊はここにいる」一言感想

 

 

12月9日渋谷PARCOで上演されている舞台「幽霊はここにいる」を観劇。

 

全体を通して抽象的な演出が多かった。その最たるものが「砂」で覆われた舞台。

幽霊という存在の不確実性、時代や人間の不安定さを全部表現しているような気がして面白かった。

幽霊を連れているという男、深川を信じる者と利用する者とでそれぞれの動きが単純でわかりやすかった。極端なほどビジネスに全振りしているのに多くの人間が乗っかって来るのは時代背景によるものが大きいのか。大庭三吉を演じたのが八嶋さんだったからこそ不自然さを感じずに済んだのかもしれない。

八嶋さんがマイクを使って死人の写真買取の街頭勧誘?宣伝?している時、ドンキやヨーカドーにある音声出力機械「呼び込み君」がいるのかと思ったくらいにリズムと声が似ていた。おもろすぎやろ。

まりゑさんは市場三郎ぶりだったけど相変わらず振り切っていて「エンターテイナーだなぁ」と改めて感じた。新宿のディープなバーで歌って欲しい。香り高いブランデーのような声質が素敵。

 

そして神山くんが演じた深川があまりにピュアで、なんで私はこんなにも彼を疑わずにいられるのだろうと思いながら観ていたけれど、この現象に名前をつけるとしたら「岡田准一現象」かもしれない。

岡田くんが演じる石田三成なら関ヶ原の戦いの歴史をひっくり返せるのではないかと錯覚した感覚と非常に似ていた。多少卑怯な手を使っていても「これも戦略なんだろう」と思ってしまうような。

神山くんが演じる深川にも同じような感覚を抱いたものの、やはり戦友を「幽霊」であると認識しつつ、振る舞いは存在する生身の人間にするそれと変わらなくて、そのチグハグさや違和感も結果的に面白かった。

 

一般販売のチケットで観劇したものの、この後友人と相互に当選した公演が待機しているため、あと何度か「幽霊はここにいる」の世界に入れるチャンスがある。より深いところまで浸かれる(憑かれる?)ようになれたら嬉しい。

 

 

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おしまい。